エキストラ・バージン・オリーブオイルの日常的な摂取に加え、それを補完する地中海式ダイエットを普段から実践すると、糖尿病の発症リスクを40％にまで減らすことが可能。これは、Ramón Estruch ラモン・エストルッチ博士の指揮するスペインの研究者チームによって地中海式ダイエットによる予防の研究により引き出された結論のひとつで、医学学術雑誌 Annals of Internal Medicine アナルズ・オブ・インターナル・メディシン（1月5日号）に、“Prevención de la Diabetes a través de la Dieta Mediterránea 地中海式ダイエットによる糖尿病予防”のタイトルで発表されました。
研究内容
この研究に参加した7,447名の中から、開始時に糖尿病に罹患していない3,541名が選ばれました。調査は5年ほどの年月に渡って行われ、毎年誰が糖尿病を発症したかを調査、分析を実施。最終的に、エキストラ・バージン・オリーブオイルとそれを補完する地中海式ダイエットを実践したグループが、すべての脂肪分の摂取を制限する低カロリーダイエットを実践したグループと比べ、糖尿病の発症リスクが40％減少するという結果となりました。
注目すべきは、この低カロリーダイエットは、通常、血管系疾患の罹患リスクのある人々に医師がよく指示するもので、エストルッチ氏によれば、この研究によって得られた結果は非常に重要とし、『ここで比較した食餌法はいずれも健康的なもので、西洋式ダイエットを日常的に実践したグループとの違いが最も大きかったのは明確。』と言及しています。
エストルッチ氏は、『今回、エキストラ・バージン・オリーブオイルとそれを補完する地中海式ダイエットの循環器系疾患および罹患リスク、そして、糖尿病の予防へのポテンシャルの高さで皆を驚かせた』ものの、もともとこの研究から良い結果がでることを期待していたことを認めました。
今回の研究ではその予防効果のメカニズムについての研究は行われなかったけれども、地中海式ダイエットによる予防の研究チームが行った予備的分析によれば、“まだ多くの研究の余地を残してはいるものの”、地中海式ダイエットは膵臓から分泌される“インシュリンへの感度を高める”ことが示唆されているとのこと。
新たな結論
また、ラモン・エストルッチ氏は、今回の発表は本研究の最終結果ではないだろうと語りました。現在、研究員たちはエキストラ・バージン・オリーブオイルとそれを補完する地中海式ダイエットがどのガンの発症予防になりうるか、内臓別に研究を行っています。
エストルッチ氏は、この”地中海式ダイエットによる予防”の研究は、すでに”地中海式ダイエットによる予防・プラス”の名で継続中と発表。そして、『エキストラ・バージン・オリーブオイルとそれを補完する地中海式ダイエットが肥満への処方としても有効であるか検証したいと考えています。オリーブオイルは『太る』と言われてきましたが、エキストラ・バージン・オリーブオイルを含む、正しい地中海式ダイエットを実践すれば、体重を減らし、同時に、心筋梗塞や脳の血管トラブルなどの合併症の発症を避ける手助けとなることを証明できればと考えております。』と語りました。
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