東京でスペイン料理実演ショー開催

スペイン料理実演ショーで来日、フラン・ビセンテ氏とホセ・ダビッド・フェルナンデス・ポルタレス氏
スペイン料理実演ショーで来日、フラン・ビセンテ氏とホセ・ダビッド・フェルナンデス・ポルタレス氏

日本スペイン交流400周年記念イベントの一環で、2013年10月21日服部栄養専門学校(東京)にて、スペイン政府観光局主催の元、スペインで活躍中の二人のシェフを招聘しスペイン料理実演ショーが開催されました。

一人目は、サラマンカ出身で、2011年9月よりマドリードのミシュラン1ツ星レストラン、マリオ・サンドヴァル氏の「レストラン・コケ」の料理長を務め、今年4月に第14回サロン・デ・グルメで開催されたシェフ・パティシエ選手権にて2013年スペイン最優秀シェフに選ばれたフラン・ビセンテ氏。実演されたメニューは、“アーモンドスープとフォアグラーぶどうとシェリー酒(パロ・コルタード)の真珠添え”と“卵のカスティージャ風煮込みタパス”の2品でした。
 
また、二人目のシェフ、ホセ・ダビッド・フェルナンデス・ポルタレス氏は、マドリード出身で、今年3月に開催された第1回スペインガストロノミーコンクールの優勝者。2012年7月から「ホテル・シウダッド・デル・フットボル」にて副料理長を務めています。今回実演されたメニューは、“ピキージョ種の赤ピーマンのサルモレホーうずらの卵と生ハム入り”と“マンチェゴチーズを詰めたポムスフレのロメスコソース添え”の2品。
 
フラン・ビセンテ氏のお料理は非常に繊細で、1品目、2品目ともに、伝統の中にも革新を取り入れた、大変バランスのとれたお料理でした。中でも印象的だったのが、仕上げにまぶしたお塩で、これもただのお塩ではなく、クミンとわさびで風味付けされたものでした。こちらのお塩だけで味、香りを試させて頂きましたが、実にバランスの取れた、まさにスペイン(クミン)と日本(わさび)の調和のとれた、まさに日本スペイン交流400周年イベントに相応しい味だったように思います。
 
ビセンテ氏は、『料理は、食材、技術、(器を含めた)道具からできる。食べる人は味わうが視覚によっても味わうもの。料理人は心をこめて料理をつくり、盛りつける。心をこめると、それが皿の中に表れる。』と語っていました。『心をこめる』というのが、非常に日本人と通じるものがあり(日本人に限ったことでもないのでしょうが・・・)、とても共感を覚えました。
 
ホセ・ダビッド・フェルナンデス・ポルタレス氏のお料理は、2品ともダイナミックさの中に素材に対する愛情、こだわりが感じられ、シェフの人柄ごと味わいたい気持ちにさせてくれる、チャーミングな印象を受けました。
 
フェルナンデス氏は、マドリードを心から愛するマドリレーニョ(マドリード人)という印象でした。料理は食材探しから始まるというのが彼の持論。できるだけ食材の味、素材の味を活かした料理をつくりたいと語り、食材を探すときは、できるだけその生産者と会い、話をするとのこと。そうすることで、食材のよさがより理解できると茶目っ気たっぷりの笑顔で語ってくれました。
 
どのお料理も非常に素晴らしく、一口一口味わう度に、スペイン料理の奥深さ、幅広さを楽しむことができました。今後の彼らの活躍、そして、スペインのグルメ界の動向から、しばらく目を離せそうにありません。